たたら
TATARA
森林資源が豊富なこの雲南地域で発達した「たたら製鉄」。
土で作った製鉄炉の中で、砂鉄と木炭を燃やして鉄をつくる日本古来の製鉄法です。
たたら製鉄で世界から注目を浴びる
雲南市吉田町
島根県雲南市吉田町は、人口1,600人強の小さな街で、面積のほとんどが山林で、のどかな空気が流れる田舎町。そんな吉田町には、全国で唯一現存するたたら場があり、映画やアニメの舞台にもなるなど、世界から注目を浴びています。
高度な技術者集団が住んでいた
菅谷たたら山内
たたら製鉄が行われていた施設と、そこで働く人々の居住区が一体となって配置されていた集落を山内(さんない)といい、高度な技術者集団が住んでいたと言われています。 雲南市吉田町にある「菅谷たたら山内」は、このような集落形態の特徴が残っており、1967年に国の重要有形民俗文化財に指定されました。
守られてきた鉄づくりの技術
たたら製鉄は「田部家」のもとで操業が行われ、「村下(むらげ)」と呼ばれる技術者集団の長が技術者たちを束ねました。炉に使う土の選定から築炉、精錬においては原料の砂鉄や木炭を投入するタイミング、送り込む風の量など、工程の全てが村下の経験と勘に委ねられていました。 厳しいしきたりのもと、人々は強い結束をもって鉄づくりに励み、村の中心部から離れた山奥で共に暮らすことで、鉄づくりの技術は守られてきました。
たたらの歴史を感じ、体験できる施設
菅谷たたら山内の中心にある、日本に唯一残るたたら製鉄の遺構である「菅谷高殿」や、鉄づくりの歴史や技術、その鉄が果たした役割をわかりやすく展示している「鉄の歴史博物館」や釘からオリジナルのペーパーナイフを作る体験ができる「たたら鍛冶工房」があります。